1.高血圧歴と治療歴 |
過去の血圧レベル,高血圧と罹病期間と治療経過 降圧薬の有効性と副作用 |
2.高血圧素因と妊娠歴 |
家族歴 |
両親の高血圧,糖尿病,心血管疾患(発症と発症年齢) |
生下時体重・幼少時期の体重増加 |
妊娠歴 |
妊娠高血圧,糖尿病,蛋白尿の指摘 |
3.生活習慣 |
運動習慣 |
睡眠習慣 |
睡眠時間,睡眠の質 |
飲食習慣 |
食事内容・嗜好,飲酒,清涼飲料水 |
喫煙 |
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性格・精神心理状態 |
抑うつ傾向,ストレス度(職場・家庭) |
4.二次性高血圧を示唆する情報 |
肥満 |
体重増加の経過 |
睡眠時無呼吸症候群 |
夜間尿,夜間呼吸困難,頭痛,昼間の眠気,抑うつ状態,集中力の低下,いびきと無呼吸(家族からの情報) |
腎臓病 |
夜間尿,血尿,家族歴(多発性嚢胞腎) |
薬剤 |
非ステロイド性抗炎症薬,漢方薬,経口避妊薬など |
褐色細胞腫 |
発作性の血圧上昇,動悸,発汗,頭痛 |
原発性アルドステロン症/腎血管性高血圧 |
脱力,周期性四肢麻痺,多尿 |
5.臓器障害 |
脳血管障害 |
一過性脳虚血発作,筋力低下,めまい,頭痛,視力障害 |
心臓疾患 |
呼吸困難(労作性・夜間発作) ,体重増加,下肢浮腫,動悸,胸痛 |
腎臓 |
多尿,夜間尿,血尿,蛋白尿 |
末梢動脈疾患 |
間欠性跛行,下肢冷感 |
2)診察
安静・座位の血圧,脈拍のほか,初診時には血圧左右差や,血圧と脈拍の起立性変動を確認する。 身長,体重を測定し,BMI[body mass index:体重(kg)/身長(m)2]を算出して,全身性肥満の程度を評価する。さらに,腹囲(臍周囲,立位測定)を測定し,腹部肥満の程度を評価する。 また,二次性高血圧や,心不全徴候,動脈硬化所見,脳・心血管疾患を示唆する所見を確認する。皮膚所見として,腹壁皮膚線状や多毛(クッシング症候群),顔面・頸部所見として,貧血・黄疸,甲状腺腫,頸動脈血管雑音,頸静脈怒張の有無や眼底所見を,胸部所見として,心尖拍動とスリルの触知(最強点と触知範囲),心雑音,III音,IV音,不整脈,および肺野のラ音の聴診を行う。腹部の診察として,血管雑音とその放散方向,肝腫大と叩打痛,腎臓腫大(多発性嚢胞腎),四肢は動脈拍動(橈骨動脈,足背動脈,後脛骨動脈,大腿動脈)の触知(消失,減弱,左右差),冷感,虚血性潰瘍,浮腫,四肢の運動障害,感覚障害,腱反射亢進などを診察する。
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